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2023年7月の記事

2023年7月30日 (日)

浸水日記

2023年7月15日~16日の記録

備忘録のつもりで、今般の水害時の様子を記録しておくことにした。お読みいただいてもあまり参考にはならないかも知れないが、一応公開しておくことにする。

 

 

14日10時頃、FM椿台に17日放送の番組<気象予報士そらんべの「空あんべ、何とだすかぁ?」>の収録に行く。翌15日の大雨予想が大変な状態であったので、緊急生放送を行うことになり、30分の緊急番組に出演した。

 

14日18時5分 秋田市に 大雨注意報、強風注意報(発表)

15日2時37分 秋田市に 波浪、高潮注意報(発表)、大雨、強風注意報(継続)

15日4時14分 秋田市に 大雨警報、洪水注意報(発表)、強風、波浪、高潮注意報(継続)

15日5時10分 秋田市に 暴風警報(発表)、大雨警報、洪水、波浪、高潮注意報(継続)

15日5時57分 秋田市に 洪水警報(発表)、大雨、暴風警報、波浪、高潮注意報(継続)

15日8時30分 我が家を含む地域に<高齢者等避難>発令

 

15日9時10分頃 秋田市(大平川)才八橋付近

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15日9時10分頃
大雨、洪水警報が発表されており、また、その後の雨もかなりの量が予想されており、前日からそれなりの雨も降っていたので、近くの川の水位を見に行く。桁下までまだかなりの余裕がある。この段階では、まあ大丈夫かな、と甘い想像をしていた。
(敷かれている鉄板は、川の増水とは関係なく、護岸工事関係のもの。)

 

15日11時45分頃 秋田市(大平川)才八橋付近

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15日11時45分頃
水位変化を見に行く。9時過ぎより大分水位が上がっている。ちょっと心配になってきた。
手前の黒い部分は、工事中(舗装前)の道路。

 

15日12時50分頃
夜に予定されていたバンド練習の中止を提案。13時30分頃、中止決定。

 

15日14時15分頃 秋田市(大平川)才八橋付近

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15日14時15分頃
再度水位変化を見に行く。水位は桁下に迫り、手前の道路(工事中)部分には水が上がり初めている。道路を越えれば、道路のこちら側は一気に水位が上がると覚悟した。もはや、川の水位を見に来ることは危険であり、水が引くまで見に来られないと判断した。
車の前後を入れ替えた。玄関前の駐車スペースは少し傾きがあり、エンジンルームが少しでも高くなるように向きを変えたのだ。

 

15日14時40分 我が家を含む地域に<避難指示>発令

 

仕事の関係(会社の気象情報関連のシステムには特定の回線からしか接続できないこと)もあり、家が浸水しても垂直避難でやり過ごすつもりでいたが、15時頃からか、家のトイレの排水不良が始まった。家には男性用の小専用の便器もあるので男性はいいが、女性は困ることになるため、母を近くの親戚の家に避難させることにした。避難開始時にはまだ越水はしていなかったものの、内水氾濫により、家の前も10cmくらい透き通った水で冠水していた。写真付近の道路は危険で通れないので、歩きでしか通れない少し高いところを通って橋を渡って母は避難した。15時半頃だったと思う。

 

15日16時15分 秋田市に 強風注意報(発表)、大雨、洪水警報、波浪注意報(継続)

 

15日17時5分頃 自宅前の道路

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16時台後半の忙しい予報作業を終え、外に出てみると、家の前の道路の冠水が深くなり、20cmに達していた。16時前と違い、水が濁っていたので、川が越水したと悟った。

まだ、家の敷地までは冠水していないが、土盛りをしていない近所の家は浸水が始まっているようだ。

自宅の住居は土盛りしてあるのでまだ余裕があるが、車庫(物置)に水が入るのは覚悟した。

この水位から20cmくらい水位が上がると玄関に水が入ってくる可能性があるので、水嚢の準備を始めた。30Lのゴミ袋を2重にし、水を1/3位入れて空気を抜きながら上部を捻ってから縛った。はじめはレジ袋でやってみたが、破れやすく、上手くいかなかかった。

夜になってからも水位を確認したかったが、玄関に水嚢を並べた関係で外に出られず、窓から外を見てみたが、暗くてうまく確認ができなかった。仕方なく、最寄りの大平川の水位観測所のデータと睨めっこしながら水位変化を見守っていたが、19時頃からは大きな変化がない時間が長く続き、雨のピークも過ぎていたのでもう大丈夫だろうと判断し、起きていても水位の変化は変わらないので、2時過ぎには寝ることにした。

 

16日7時30分頃 秋田市(大平川)才八橋付近

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朝起きると道路の水は引いており、川の近くまで行くことができた。取りあえず一息。

車庫の浸水状態を確認すると、スノコの上に上げていた物が濡れていたので、4,5cmの浸水だったと思われる。この高さであれば、住居の床下の通気口までは水が上がっていないと思われ、床下浸水は免れたようである。
(後日、軽く床下浸水していたことが判明した。(R6.5.8.追記)) 

 

16日10時頃にはトイレの排水不良も解消しており、午後になって母は避難先(親戚の家)から戻ってきた。

 

16日16時52分 秋田市 大雨、洪水警報(継続)、強風、波浪注意報(解除)

 

16日17時55分頃 秋田市(大平川)才八橋付近

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16日夕方、川の水位も大分下がった。

 

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2023年7月20日 (木)

浸水の爪痕

 今朝、徒歩出勤した。車からはわからない浸水の爪痕がありありと見られた。

大通りはいいのだが、細い横道に入ると、泥がアスファルトに被ったままになっているところも多い。

冠水でニュース映像にも多く使われた明田地下道、歩行者用通路は清掃に手が回っていないようで、かなりの泥を被っていた。電気も止まっているため薄暗く、泥の様子がよくわからないため、歩くのが少し怖かった。

同級生のクリニックも浸水したようで、当分休診の張り紙がしてあった。出入り口の外には、待合室で使っていたと思われる棚や、立派な椅子等が置かれており、痛々しい。

水深の痕跡をキョロキョロと探しながら歩いたのだが、案外見つからない。後片付けをしていた通り沿いのお店の人に声をかけて聞いてみた。下の方が汚れたカーテンを指さし、「ここまで水が上がったの。全滅。」とのお返事。驚いた。自分が痕跡を探していた高さよりはるかに高い位置だった。その店のフロアの高さは道よりかなり高いが、更にそこよりも腰下の高さくらいまで浸水したようだ。これでは商品の大半が駄目になったろう。

別の店では、大きなガラスの下の方にヒビが入っていた。おそらく水圧によるものだろう。横からの水圧を意識することはあまりないだろうが、水没しかけた車のドアが簡単に開かない映像はよく見るところだ。仮に、ドアの幅(前後の長さ)が50cmで、ドアの下端から10cmまで水に浸かったら、ドアの重さを別にして、単純計算で5025kgの物を持ち上げるのと同じ力が必要になる。店のガラスが道路側だけ水深50cmの水に浸かったら、幅1m当りに500250kgの力がかかっている。よくヒビで済んだなぁと思うくらいである。(内側も同じ水位だったら、打ち消し合うので水圧はかからないが、内側の水位が上がるまで時間差があったろう。)

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ニュースにもなった旭川沿いの歩道の崩落、川側から見れば護岸擁壁の崩落だ。おそらく洗掘が起こったのだろう。やはり、荒れた川に近づいてはならない。

かくいう自分も、住居近くの川を何度か見に行った。もちろん、川縁からは十分な距離を取ったが、悪い見本ではあった。

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