「異常気象」徹底究明、ちょっと待った(その4)
引き続き、竹田恒泰氏の発言から
「地球上で一番二酸化炭素を出しているのが植物、
二番目が海です。
そして全地球の中で人間が出している二酸化炭素の総量は
全体の3%なんです。
これを0にしたって変わらんでしょう、そんなもの。」
えっ、“排出”の一番が植物?、
光合成で二酸化炭素を“吸収”し、酸素を排出する植物が??
竹田氏の何かの勘違いだろうか。
それとも、私の知識が欠けているのか、
よくわからないので、ここは氏の発言を示しておくに留め、
お詳しい方からの助言を待ちたいと思う。
海からの排出量が人間より圧倒的に多いのはそのとおり。
だが同時に、海の吸収量も非常に大きい。
問題にすべきは総排出量ではなく、
総吸収量との差、すなわち収支である。
もし、海からの排出量と吸収量が同じなら、
そのそれぞれがどれだけ大きくても、
海の大気内の二酸化炭素量の変化に対する寄与は
ゼロと考えなくてはならない。
実際には、海の二酸化炭素の吸収・排出量は、
いずれも大気中の二酸化炭素量に応じて変化し、
バランスを保つバッファー(調整機能)になっている。
このバッファーの大きさに対して、
人間の排出量がどうなのか、
調整機能の限界を超えていないのかが真の問題だろう。
整理すると、竹田氏のいう、総排出量には殆ど意味はなく、
収支のバランスやバッファーの大きさが問題なのである。
調整機能の限界を超えてしまってバランスが崩れ、
大気中の二酸化炭素濃度が増える方向に向かっているのなら、
そのバランスを崩している原因が何なのかが問題となる。
それが人為的な原因かどうかは私にも判断できないし、
誰にもわからないし、おそらく結論も出ないだろう。
蓬莱氏の言うとおり、
状況証拠としては人為原因の可能性が高いとは思うが、
結論の出ないことを議論しても時間の無駄というものだろう。
二酸化炭素濃度の上昇原因が人間にあろうとなかろうと、
二酸化炭素濃度が上昇しつつあることは観測上の事実で、
その温室効果(温室効果自体は実験で証明されている)により
地球温暖化が進んでいるとするなら、
人間がそれを減らす努力をしても、
いや、した方がいいのではないだろうか。
それが有効か無駄かは、やってみなくてはわからない。
脇道に逸れるが、
「二酸化炭素濃度の上昇によって地球温暖化が進んでいる」のか、
逆に「地球温暖化によって二酸化炭素濃度が上昇している」のか、
という論争もある。
私に言わせれば鶏と卵の関係であって、殆ど意味のない議論だ。
この負?のスパイラルを止める、或いは進行スピードを緩めるために、
人間が排出する二酸化炭素量を減らしてみることは、
試みる価値があるのではなかろうか。
(つづく)
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