「異常気象」徹底究明、ちょっと待った(その2)
今回は蓬莱大介氏(気象予報士)の発言(説明)から
蓬莱氏の説明をそのまま全て書くと長くなるので要約すると、
極端気象の振り幅が大きくなり、頻度が上がる原因として、
「ヒートアイランド現象と地球温暖化が合わさったことがある」
といった説明がされた。
ちょっと拡大解釈が過ぎる。
その説明は、都市部の異常高温の説明にはなっても、
大雪や低温も含めた振り幅の説明にはならない。
ヒートアイランドは、都市部の局地的な現象であって、
都市部の局地的な気象現象を説明することはできても、
偏西風の蛇行が大きくなる理由や、
広範な線状降水帯、大雪等、広範な現象の原因ではない。
空間的、時間的スケールが全く異なるものを、
合わせて説明に使うことにそもそも無理がある。
特に、スケールの小さい現象が、
よりスケールの大きい現象の原因である、
という説明は全く不適当である。
また、スケールの大きい現象は、
よりスケールの小さい現象が起こる環境要因にはなり得ても、
個別の小さい現象の原因にはなり得ない。
このことは、このブログの別記事「地球温暖化考」
https://soranbe.air-nifty.com/blog/2017/12/index.html
に書いているので、ご参照いただければありがたい。
そして残念なことに、いろいろな気象現象の説明をするにあたり、
このスケールの概念を念頭に置いた説明をする専門家を
あまり見たことがない。
というより、スケールを無視した無理な説明を見ることが
圧倒的に多い。
なお、蓬莱氏を擁護するとすれば、
ヒートアイランドを起こしている人間の行動(CO2排出等)が、
地球温暖化を促進する一要因となっている“可能性”は
否定できないと思う。
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