「異常気象」徹底究明、ちょっと待った(その5)
最後も竹田恒泰氏の発言から。
今回取り上げる発言は、半分ネタのようではあるが。
「温暖化になったら森林増えるでしょうが。」
そうかも知れない。
しかし、おそらく砂漠も増える。
自論に都合のいい部分だけピックアップしても駄目だ。
そして、森林が増える緯度帯よりも
砂漠が増える緯度帯の方が低緯度で、
同じ緯度の幅ならば、低緯度の方が面積が広いので、
トータルで森林が増えるかどうかはわからない。
平安時代の気候がわかる理由の説明で
「南極のボーリングで大体気温がわかる」
という発言もあった。
残念ながら、南極のボーリングでは、
南極付近の気候しか明確にはわからない。
地球全体を代表している可能性もあるが、
そうではないかも知れない。
森本敏氏の「年輪でわかる」の方が当を得ている。
「(温暖化が進めば)ツンドラっていうシベリアの
全く生産性のない凍てついた土地が全部農地になる」
という発言もあった。
“生産性”に関しては、
某議員の暴言にひっかけたネタであろうが、
人のあまり住んでいない地域で
全部農地化はかなり無理がある。
竹田氏は興奮すると、ネタなのか
こういう極論を口にする悪い癖があるようだ。
少し話が逸れるが、
ツンドラ地帯には多量のメタンガスが埋まっているそうだ。
メタンは二酸化炭素の25倍の温室効果があるので、
永久凍土が解け、メタンが大量に大気中に放出されると、
地球温暖化は加速されるかもしれない。
しかし、この地域にメタンガスが大量にあるということは、
大昔は高密度に動植物が生息していたことになるだろう。
温暖化が進むということは、
そういう時代に戻るだけということになるかも知れない。
竹田氏のいうような全部農地になることはなくても、
豊かな森林地帯として復活?する可能性はある。
だから、温暖化が進んでもよい、と、
竹田氏は言いたかったのだろうか。
ちょっと話題が逸れた。
脱線ついてにさらにもうひとつ。
ここ数千年を振り返ると、
寒冷期(小氷期というべきか)と
温暖期が繰り返されていた。
ごくごく大雑把にいえば、
縄文時代は温暖期。
縄文時代の終わり頃から弥生時代頃までは寒冷期。
古墳時代は概ね温暖期。
古墳時代の終わり頃から飛鳥時代までは寒冷期。
奈良・平安・鎌倉・室町初期は温暖期。
室町中期から昭和初期まで寒冷期。
そして今は、寒冷期から温暖期への移行期か?。
これらの温暖期に何が起きていたか。
縄文時代、関東平野のかなりの部分は海だった。
縄文海進といわれ、貝塚で証明されている。
新潟平野の調査によると、
奈良、平安時代の遺跡数は急増するらしいが、
温暖期真っ盛りの平安末期から鎌倉時代にかけて、
遺跡はまったくの空白となる。
寒冷化した室町時代になると、
再び平野の遺跡数は増加するのだそうだ。
おそらく、温暖期に海進があったのだろう。
人間の多くは、特に国土の狭い日本では、
その多くが平野部に住んでいる。
もし温暖化で海進が進むなら、
日本は大きなダメージを受けるに違いない。
移住や再開発などを考えれば、
政治・経済面でも温暖化のスピードを抑え、
じっくりと気候変動に適応してく必要があるだろう。
極端気象を抑える意味でも必要だろう。
地球温暖化が、人為起源であろうと、
そうではなく、自然の気候変動によるものであろうと、
これを止める、いや遅らせる努力は必要ではないだろうか。
その方法としては、
大気中の二酸化炭素濃度を下げることと、
アルベト(太陽エネルギーの反射能)を上げること
くらいしか私には思いつかない。
今後の新しい知恵と工夫に期待したい。
最後は番組とあまり関係のない話になってしまった。
殆ど生産性のない記事になってしまったことを
深くお詫び申し上げます。
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