さくらの開花
各地からさくらの開花の便りが届いている。
さくらの開花は、
気象庁の「生物季節観測」の観測項目のひとつで、
一部地域を除いてソメイヨシノの標本木で観測される。
ソメイヨシノは人工的な接木でしか増やせないため、
全ての木が同じ遺伝子なので、
比較観測にはもってこいなのだ。
標本木を決めていつも同じ木で観測するのも、
経年の比較のために条件を変えたくないから。
桜の開花に限らず、
気象観測には質や方法の均一性と、
観測環境の継続性が大切だ。
ところで、
枝より早めに幹から直接咲く「胴吹き」を
開花にカウントしている気象官署と、
カウントしていない官署があるらしい。
観測の品質を良くするためにも
「胴吹き」の扱いはルールを統一すべきだろう。
「胴吹き」は老木に多いらしいので、
これが起こった標本木はお役御免にして、
新しい標本木に切り替えてはどうだろうか。
まあ、お役所で予算もあるだろうから、
簡単ではないだろうけれど。
あっ、気象台って国のお役所なんですよ。
ですから、さくらの開花は、
国民の税金によって観測され、
観測成果が発表されているんです。
生物季節観測には、他に、
ウメやタンポポ等の開花、
イチョウ、カエデ等の紅葉、
ヒバリ、ウグイス、モンシロチョウ等の
初鳴きや初見などの種目がある。
季節の遅れ進みや、
気候の違いなどを知るために行われている。
なお、「○○の初鳴きを宣言」などは
誰が聞いてもおかしな表現であり、
開花も、「宣言」ではなく「発表」が正しい。
「宣言」という表現はなかなか減らないが、
注意深く聞いていると、
「宣言」を使わないように
気を付けているアナウンサーさんもいるようだ。
秋田にも桜前線が近づきつつある。
暖かい日が続いているので、
思いの外早く咲くかも知れない。
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