気象観測

2017年10月18日 (水)

気温のはなし(その1)

暖かくなったり、寒くなったり、
1日の気温変化(日較差)も大きくなったり、
秋らしく気温の上下が大きくなってきた。

さて、この気温にも測り方の決まりがある
個人的に測る分にはどうでもいいが、
発表したり、災害防止に使う場合は
決まり(法令)に従わなくていはならない。


気象庁の地上気象観測では、
気温は地上1.5mの高さで測る
ことになっている。
更に、露場(簡単に言えば広い芝地)内で、
感部が日射あるいは地表や周囲の建造物からの
反射や放射の影響を受けないことが必要とされている。
なので、
TV番組内でその場で測っている気温は、
本来の気温とはかなりの誤差
があるだろう。

気象台やアメダスの気温観測は、
露場内の地上1.5mに設置された
通風筒(写真・気象庁webより)の中の
電気式温度計で行われている。



Image014


筒は、直射日光や周囲からの反射や放射を防いでいる。
上部にはファンがあり、
常時下から空気を吸い上げ、
熱がこもらないように周囲の気温に馴染ませている。

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2017年9月27日 (水)

二十四節気と気象報道

気象報道によく出てくるものに
二十四節気にじゅうしせっき)がある。
「啓蟄」とか「大寒」とかいうあれだ。

元は中国の暦に関連して発生したもので、
日本のものではないし、

ましてや、気候的意味、
例えば、啓蟄大地が温まり冬眠をしていた虫が穴から出てくるころ
といった、節気に当てはめられた意味が
南北に長い日本の全域に当てはまるはずもない


二十四節気は暦に関連しているものなので、

基本的には天文起源であって、
気象起源ではない

洋の東西を問わず、太陽の運行に基づいて

春分(太陽が地球の赤道面を南から北に横切る(春分点を通過する)瞬間が属する日)
夏至(太陽が地球の赤道面から北側に最も離れる点を通過する瞬間が属する日)
秋分(太陽が地球の赤道面を北から南に横切る(秋分点を通過する)瞬間が属する日)
冬至(太陽が地球の赤道面から南側に最も離れる点を通過する瞬間が属する日)

が決められ、
それらの真ん中が立夏立秋立冬立春とされた。

以下同様に、
これらを三等分した日に
各節気の名前を当てはめたのが二十四節気なのだ。

残念ながら、気象的季節とは全く無関係の決め方なのである。


二十四節気は、
太陰太陽暦には必要不可欠だった素晴らしい文化遺産で、
暦や季節ニュースの中などで残していくべきものだとは思うが、

前述の意味で、
天気予報や気象情報、予報解説などの
“気象報道”に持ち込むことにはあまり意味がない
と個人的には思っている。

もっとも、季節ニュースと気象報道の境目ははっきりしないのだけれどね。

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2017年9月 7日 (木)

天気の話(その3)

少し話が逸れるが、
気象情報番組で「晴れ間が広がる」という言葉をよく聞く。
気象庁の用語の説明を見ると、
雲の多い状態の中で、雲のすき間が多くなってくること
(備考)予報用語としては「しだいに晴れてくる」を用いる。”
とある。
いってみれば「曇後晴」のようなときに使うべき言葉だ。
ところが、気象情報番組内では、
「晴」の言い換えとして使われてしまっていることがとても多い。
ちなみに、
気象庁の用語の説明で「晴れ間」は、
“利用者にとって価値があると判断される場合
ぐずついた天気の期間中など)に限って用いる。
また夜間には用いない。”
とある。
そもそも「晴れ間」は、
ぐずついた天気のときに使われるべき用語
なので、
その意味でも「晴」の言い換えとして使うのは不適切である。

気象情報番組で「雲が広がる」という言葉もよく聞く。
「曇」の言い換えのようだ
ところが、気象庁の用語の解説には、
「雲が(を)増す」という言い方は
“「雲が多くなる」「雲が広がる」と言い換える”
となっている。
つまり「雲が広がる」は、雲が増える変化を表す言葉なのである。
従って「雲が広がる」は、
雲が増えていく“変化”を解説するときに使うべき言葉で、
天気予報の「曇」(雲量9以上に雲が広がってしまっている状態)
を表すのに使うのは不適切
である。

「晴」にしても「曇」にしても、
これほど単純明快な予報用語がなぜ言い換えられているのか
しかも不適切に言い換えられているのか私にはわからない。
この点は是非改善して欲しいところで、
ウエザーキャスターや番組関係者の皆さん、
原稿を作成している気象会社の皆さん、
ウエザーキャスター等の養成機関の皆さん、
どうか改善をお願いします

気象報道において、
「バケツをひっくり返したように降る雨」などは、
かなり厳密に気象庁の用語の解説どおりに使用されているようだが、
天気表現だけは、
なぜか(しかも不適切に)言い換えられている。
気象は防災と直結するだけに、
極力決められたとおりに用語を使うべきだと思う。
そもそも、気象庁の予報用語は、
マスコミの意見も取り入れて作られている
のだから。

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2017年9月 6日 (水)

天気の話(その2)

に関する大気現象は、
雷鳴
電光(雷放電による発光現象)、
雷電(電光が見え、雷鳴が聞こえる)
の3つである。
観測時前10分以内に
雷電あるいは雷鳴のある
場合の天気が「」であり、
他の天気に優先する。
電光だけの場合は天気を雷としない

煙霧砂じんあらし高い地ふぶき天気は、、
該当する「大気現象」が起こっていて、
かつ視程が1km未満のときなどに適用される。
例えば、「大気現象」の煙霧や黄砂などがあり、
視程が1km未満なら天気は「煙霧」となるが、
1km以上なら「曇」や「晴」
などになる。

雷関係や降水関係などの大気現象がなく、
霧や煙霧など視程を1km未満にするような大気現象も起こっていないと、
前述のとおり雲量によって「快晴」「」「薄曇」「」の中から
(国内式)天気を選ぶことになる。

「快晴」「晴」「薄曇」「曇」は、
観測成果としての天気を表す用語だ。
天気予報の場合には(少なくとも気象台発表の予報では)
「快晴」と「薄曇」という用語は使われない
快晴が予想される場合はと予報される
薄曇」のときは地物の影ができることが多いため、
これも予報ではと予報される

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2017年9月 5日 (火)

天気の話(その1)

降水の話から「天気」の話に移ろう。
降水関連の天気は降水シリーズで書いたので、
ここではそれ以外の天気について述べることにする。

国内式天気15種類天気には優先順位がある。
優先順位の高い順に、
ひょうあられみぞれ霧雨
高い地ふぶき砂じんあらし煙霧
薄曇快晴
である。
該当する天気が同時に複数選べる場合は、
この優先順位に従って「天気」が決められる。

(有人の気象台においての)天気
観測時における
大気現象
視程
雲量
3つの要素をもとに決められている

大気現象について
 大気現象は50種類近くあり、
 いちいち解説していると大変なので、
 ブログの中で必要に応じてその都度取り上げたい。

視程について
 視程は、簡単に言えば見通し距離だ。
 視程は、
 “昼間の視程は、
 その方向の空を背景として黒ずんだ目標を
 肉眼で認められる最大距離であり、
 夜間の視程は、
 昼間と同じ明るさにしたと仮定した場合に、
 目標を認めることのできる最大距離である。
 目標を認めるとは、
 目標の存在を確認できるだけでなく
 目標の形まで識別できることをいう。

 と定められている。

 恥ずかしい話であるが、
 気象台に勤務していた頃、
 「夜間の仮定って、目視観測時にどうやって確かめるんだろう」とか
 「目標の大きさはどうでもいいのか」とか、
 いろいろな疑問を解決できないまま観測に当たっていた。うーん。
 ま、いずれ、視程はそういう定義で目視観測されている。

雲量について
 雲量とは
 “雲に覆われた部分の全天空に対する見かけの割合
 である。
 「雲量」はあくまで“見かけの割合”であって、
 雲の種類や厚さ、空が透けて見えるような雲かどうかなどは一切関係ない。
 「快晴」は雲量が1以下の場合の天気、
 「」は雲量が2以上8以下の場合の天気である。
 空の8割が雲に覆われていても、
 それは「曇」ではなく「晴」なのだ。
 「空の8割が雲に覆われていても晴?、それはどう考えても曇でしょ」
 と言われても、気象庁でそう定めているのだから仕方ない。
 気象用語を正しく知っていないと、
 当たっている予報も外れと感じてしまうことになる

 雲量の観測は、雲形別にも行われている。
 雲量9以上の場合で、
 見かけ上の最多雲量が、
 巻雲・巻積雲・巻層雲およびこれらの組み合わせ
 
による場合の天気は「薄曇」、
 その他の雲による場合の天気を「」という。
 ちなみに、巻雲巻積雲巻層雲上層雲に分類される、
 いわゆる「薄雲(うすぐも)」である。

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2017年8月25日 (金)

降水(その3)

積雪量降雪量という用語は、
正式にはそれぞれ「積雪の深さ」「降雪の深さ」という。

積雪量は“(ある時刻に)積もっている雪の深さ(地面からの高さ)”、
降雪量は“一定の期間内に(新たに)積もった雪の深さ”である。
要するに、積雪量は積もった雪の量、降雪量は降った雪の量だ。

ところが、ある期間の降雪量は
期間の初めと終わりの積雪量の差と等しいとは限らない
積雪は、解けたり、締まったりで縮むことがあるからだ。

ある期間の降雪量は、
期間中の1時間毎の積雪量の差を、
マイナスの場合はゼロにして全て加え
て求められる。
数年前からこの方法に変わった。

天気」としての降水はきのう書いた6種類だが、
大気現象」としての降水は多種多彩だ。
着氷性の雨霧雨着氷性の霧雨みぞれ雪あられ
霧雪凍雨氷あられひょう細氷ふぶきがある。

天気大気現象は関連はあるものの別物
同じ表現のものがあって紛らわしく、誤解を生むことがある。

大気現象として、雪あられ氷あられ凍雨
(雷、ひょうを伴わず)降っているときの天気あられ
大気現象としてのひょうは、
直径5mm以上の氷の小粒またはかたまりの降水で、
(雷を伴わず)これが降っているときの天気ひょう
ややややこしい。

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2017年8月24日 (木)

降水(その2)

国内式天気は15種類あるが、
降水関連の天気は、
霧雨みぞれあられひょう、の6種類
なおみぞれは、
雨まじりに降る雪。または、解けかかって降る雪。
のことなので、
日常会話や文芸ではともかく、
気象情報として「みぞれ混じりの雨(雪)」という表現は誤り

国内式天気の15種類のうち、
残りの9種類は、
快晴、晴、薄曇、曇、煙霧、
砂じんあらし、高い地ふぶき、霧、雷。

地ふぶきは、積もった雪が風で吹き上げられる現象で、
目の高さに及ぶ地ふぶきである高い地ふぶき
が同時に起こるのがふぶき
この場合、優先順位の決まりにより、
天気としては「」になる。

気温がプラスなら雨が降り、
マイナスなら雪が降る、
と思っている人はいないだろうか。
実際は、気温だけでなく、
湿度も雨か雪かに大きく影響する。

冬型の気圧配置の場合、気温が
+2℃くらいまでは殆ど雪だし、
+4℃で雪が降ることも珍しくない
+7℃近くで雪だった経験もある。

同じ気温の場合でも、
湿度の低い方が雨より雪になりやすい
雪が解けかけながら降るときに、
空気が乾いている(湿度が低い)方が昇華(気化・蒸発)しやすく、
昇華の際に雪は昇華熱を奪われて冷えるため、
より解けにくくなるからである。

こういった複雑さが、
天気予報を難しくしている。

雪の強さも一応予報用語がある。
1時間当たりの降雪量が
およそ1cm/hに達しない雪弱い雪
およそ3cm/h以上の雪強い雪
である。

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2017年8月23日 (水)

降水(その1)

降水は「降る水」と書くが、
液体の水だけでなく、
雪、あられ、ひょうなどの
固体の水(氷・固形降水)も含む

降水の元は雲である。
雲は小さな水滴の集まりで、
霧や湯気も同じだ。

ちょっと脇道に逸れるが、
日常会話としてはともかく、
科学用語、気象用語として、
湯気を「水蒸気」というのは誤り
湯気は小水滴なので液体だが、
水蒸気は気体の水を表す。
湯気は、光を散乱して雲同様白く見えるが、
水蒸気は、酸素や窒素同様無色透明だ。

閑話休題。
微小水滴の雲粒は、
最初は空中の塵や埃(エーロゾル)がないとできにくい。
エーロゾルの助けを借りてできた雲粒は、
様々な過程を経ながら次第に大きくなって雨粒にまで成長する。
気温の低い上空では氷粒として成長し、
雪として、あるいは途中で溶けて雨として降ってくる。

雨は大きく2種類に分けられる。
層状性の雲(層雲、高層雲、乱層雲など)から降る地雨と、
対流性の雲(積雲、積乱雲)から降るしゅう雨(驟雨)である。

地雨は、
広い範囲にある程度の長い時間、
概ね一様な強さで降り続けるが、
しゅう雨は、
局地的で、
強さの変化が激しい降り方をする。

地雨は、主に温暖前線の前面などで降る。
しゅう雨は、寒冷前線付近台風周辺
帯状の降水帯孤立した局地雨など、
様々な形態で降る。
「にわか雨」もしゅう雨のひとつだ。

降水量とは、降った降水が流れず、
その場に留まった場合の水の深さである。
固形降水の降水量は溶かして液体の水にして計る
(雨量計にはヒーターが内蔵されている。)

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2017年8月20日 (日)

積乱雲(その5)

観天望気による積乱雲の近づく兆しを書いてきたが、
スマホなどで気象庁の情報を利用するのも
確実で、簡単な兆し発見の方法だ。

その一つが、以前書いた気象レーダーである。
発達した積乱雲は強い雨を降らせる
レーダー画面では雨の強さがわかるので、
強い雨が点在していたり、
線状、帯状に分布していたら、そこには積乱雲がある。

積乱雲の発見法として気象レーダー のいいところは、
動画再生やナウキャストを見ることによって動きがわかり
自分の居る所に向かって来るかどうかがわかるところだ。
スマホの圏内ならば、どこにいても見られるのもありがたい。

気象レーダーで積乱雲を発見することができるが、
発生可能性のないときに時間の無駄をしないためにも、
日々の天気予報や概況解説に耳を傾けることが大切だ。
特に大気の状態が不安定という言葉が使われたら要注意である。

気象レーダー以外にも、
気象台発表の、注意報気象情報の利用も兆し発見になる。

積乱雲は雷や雹(ひょう)、竜巻などの気象現象を引き起こすが、
全ての積乱雲がこれらをもたらすわけではない。
積乱雲の危険性の大きさは、
気象台の発表する各種の情報を見ることである程度わかる

災害に結びつく気象現象(積乱雲の発生)が予想される場合、
順を追って各種情報が発表される。

まず、半日~1日程度前に
及び突風に関する○○県気象情報
といった気象情報が発表される。
本文中に「竜巻などの激しい突風 」の表現があるかをチェックしよう。
もし表現がなければ、
雷の恐れはあっても、竜巻の心配はあまりない。

次は「注意報」。
本文の付加事項に「竜巻」の表現があるかをチェックしよう。
これも表現がなければ、
雷の恐れはあっても、竜巻の心配はあまりない。

注意報等は、表題だけでなく、内容の確認が大事だ。

いよいよ「竜巻などの激しい突風が発生しやすい気象状況になった
場合には「竜巻注意情報」が発表される。
このときは、気象庁の「竜巻発生確度ナウキャスト
http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
危険地域や危険度を確認しよう。

積乱雲がもたらす災害を避けるためには、
観天望気と、気象台発表の各種情報を合わせて状況を判断するようにしたい。
(参考)
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/toppuuinfo-rikatsuyou.pdf

竜巻関連情報を時系列でまとめておく
雷及び突風に関する○○県気象情報
     =『竜巻などの激しい突風 』の表現の有無を確認
雷注意報」=『竜巻』の表現の有無を確認
竜巻注意情報」=いよいよ危険が迫っているので、
竜巻発生確度ナウキャスト」で危険地域と危険度を確認

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2017年8月19日 (土)

積乱雲(その4)

竜巻注意情報が発表されたりすると、
報道で「積乱雲の接近の兆しが・・・」
と注意喚起されることがある。

では、積乱雲の接近の兆しにはどんなものがあるだろうか

冷気外出流
による急な気温低下も接近の兆しのひとつ。
積乱雲からの冷気外出流は風の変化も起こす。
四方八方に風が吹き出すため、
気圧配置による一般風とは異なる風向の風が急に吹き
一般に風速も強まる
風の息も荒くなる
このような状況の時は、積乱雲が既に頭の上に来ている。

一天にわかにかき曇り、というのも兆し。
積乱雲は縦に急激に成長し、
対流圏界面(上空約10km)にまで達することもある非常に厚い雲なので、
太陽を隠すと昼間でも急にかなり暗くなる
このような厚い雲は積乱雲と思ってよい。

これらの兆しは、積乱雲が既に頭上にあるか、
かなり頭上に近い場合のもの。

少し離れた例では、
入道雲が上にモクモクと成長しているのが見えたら、
それは間もなく最盛期を迎える可能性がある。
また、遠雷が見えたら、
自分の居る場所でも積乱雲が発生してもおかしくない状況だ。

以上は観天望気による積乱雲接近の兆しを見つける方法だ。

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