二十四節気と気象報道
気象報道によく出てくるものに
二十四節気(にじゅうしせっき)がある。
「啓蟄」とか「大寒」とかいうあれだ。
元は中国の暦に関連して発生したもので、
日本のものではないし、
ましてや、気候的意味、
例えば、啓蟄=大地が温まり冬眠をしていた虫が穴から出てくるころ
といった、節気に当てはめられた意味が
南北に長い日本の全域に当てはまるはずもない。
二十四節気は暦に関連しているものなので、
基本的には天文起源であって、
気象起源ではない。
洋の東西を問わず、太陽の運行に基づいて、
春分(太陽が地球の赤道面を南から北に横切る(春分点を通過する)瞬間が属する日)
夏至(太陽が地球の赤道面から北側に最も離れる点を通過する瞬間が属する日)
秋分(太陽が地球の赤道面を北から南に横切る(秋分点を通過する)瞬間が属する日)
冬至(太陽が地球の赤道面から南側に最も離れる点を通過する瞬間が属する日)
が決められ、
それらの真ん中が立夏、立秋、立冬、立春とされた。
以下同様に、
これらを三等分した日に
各節気の名前を当てはめたのが二十四節気なのだ。
残念ながら、気象的季節とは全く無関係の決め方なのである。
二十四節気は、
太陰太陽暦には必要不可欠だった素晴らしい文化遺産で、
暦や季節ニュースの中などで残していくべきものだとは思うが、
前述の意味で、
天気予報や気象情報、予報解説などの
“気象報道”に持ち込むことにはあまり意味がない
と個人的には思っている。
もっとも、季節ニュースと気象報道の境目ははっきりしないのだけれどね。
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