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2017年8月11日 (金)

風のはなし(その3)

あるテレビ番組で、
風力発電の適地の地図が紹介されたことがあった。
秋田県では秋田能代にマークがあった。

アメダスでは確かに風が強く出やすい地点なのだが、
これには事情がある。
アメダスの風速計の地上高は大半が6.5mだが、
秋田は39.9m能代は19.0mである。
高い分、地面との摩擦が当然に小さい。
立地条件が違うため、
そもそも強い風が観測されやすい地点なのだ。
もし、同じ地上高で観測すれば
おそらく、他の地点とさほど変わらない風速が観測されるだろう

アメダスで風の分析をする場合は、
立地条件の確認も行わないと、
とんでもない結論になる恐れがある

地形の影響で、癖のある風が吹く場所もある。

水が高いところから低いところに流れるように、
空気も気圧の高いところから低いところへ流れようとする。
気圧差が風の動力だ。
ただ、地球の自転の影響コリオリ力が働き、
地面との摩擦の無い上空では、
北半球では流れたい方向(気圧傾度力)に対して直角右向きに、
言い換えれば、
等圧線(等高度線)と平行に、気圧の高い方を右手に見て風が吹く
摩擦のある地表面付近では、直角まで曲がりきれない。

風の動力源は気圧差(気圧の傾き、気圧傾度)なので、
天気図で等圧線の間隔が狭いほど風が強い
冬型の気圧配置のときや台風の中心付近には、
間隔の狭い等圧線が見られる。

地形等を無視した大雑把な風向は、
等圧線に直角に高圧側から低圧側に向かう方向に対し、
60度ほど右に曲がった方向
となる。

NHKラジオの気象通報では風力が通報されるが、
予報現場では風力は殆ど使われない。
このブログを興味持って読んでくださる方なら
気象通報で天気図を描いたことのある人も多いだろう。
よい天気図を描くには、
気圧値より、風向と等圧線との整合をとることが大事
だ。
気象の基本は風である。

風とは空気の流れである。
空気が集まってくる(収束する)ところでは上昇気流が発生し、
雲が発生、発達しやすい
低気圧や高気圧も大きな空気の渦で、
風だけで中心位置を知ることができる。
前線も風向が不連続に分布するところである。
風こそが、天気予報上、最も有用な気象要素なのだ。

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