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2017年7月

2017年7月31日 (月)

GPV気象予報(その2)

数値予報では地形も考慮されているが、
各格子点に海陸の別と、平均的標高が与えられている程度だ。
例えばGSMの最下層は約20km四方でただ一つに設定された標高で計算されるので、
それより細かい地形の影響はGPVに反映されない

当然、実際の気象現象とは差異が生じる

更に言えば、
GMSでは格子点間隔の約20kmより小さい現象は当然予想できない
積雲や積乱雲は直径数kmが普通なので、
局地的な強雨や雷、竜巻などは原理的に予報できない
ただし、パラメタリゼーションという手法で、
積乱雲からの、より広域に与えられる影響は考慮されている
実際に、ある程度の精度を持って予報できる現象は、
格子間隔の5倍程度以上のスケールをもつ
気象擾乱(気圧配置や気象現象など)に限られる。

格子間隔が約5kmのMSMではGMSより小さい現象まで予想でき、
基本的に、GSMより精度が高いと考えてよいが、
予測手法が違うため異なった癖があり、
どんなケースでも精度が高いとはいえない

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2017年7月28日 (金)

GPV気象予報(その1)

最近「GPV気象予報のウェブサイト利用している」という人が周囲に増えている。
海関係の仕事や、星見を趣味とする人たちだ。
気象の専門家ではないのだから、ある程度は仕方がないが、
正しくGPVを利用するのに必要な知識が少し足りないように思われる。
そこで、GPVについて多少の解説をしたいと思う。
(ここでの内容は、気象予報士試験の受験を目指す人の役にも立つと思う。)

GPVGrid Point Value の略で、格子点値の意味である。
大気層中に仮定した3次元の格子点(立体の碁盤の目)に、
気温や気圧などの気象要素の初期値を与え、
その変化を逐次計算(細かい時間間隔で次々に計算)する手法を数値予報と呼ぶ。
(数値で予報する、という意味ではない。)
GPVはその計算結果の数値である。

GPVは予報製品ではない
GPVの他に、統計的手法によるガイダンスと呼ばれる資料なども使って、
気象台の予報担当者や、民間気象会社の気象予報士などが、
実際に起こっている現象との時間的、空間的、量的差異を検討するなどして
製品としての天気予報を作るための基礎資料の一つに過ぎない

気象庁の数値予報モデルのうち主なものに
全球数値予報モデル(GSM)」と
メソ数値予報モデル(MSM)」がある。
GSMは地球全体に概ね20km間隔で、
MSMは日本付近に概ね5km間隔で格子点を設定している。

GPVは、格子点での値ではなく、
その点を中心とする矩形領域の平均値や代表値である

例えば、ある格子点の雨量GPVが20mmなら、
その周辺で20mmより多いところも少ないところもあって
その平均値が20mmということである。
従って、(他の理由もあるが)GPVをそのまま予報値とすべきではない。
特に、最大値を表していないため、防災情報に使う値としては不適切である。

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2017年7月27日 (木)

天気予報は“なまもの”

昨日、天気予報は“なまもの”と書いた。

天気予報は、明日の予報より明後日の予報の方が外れやすく、
さらに3日後、5日後と離れていけば、益々当たりにくくなるのはご理解いただけるだろう。
極端な例を挙げれば、来年の今日の予報ができる人など、神様以外にはいない。
あれっ、神様は人じゃないか。^^;
天気予報は“なまもの”と同じで、できるだけ新しいものを使った方がいい
ただ、食べ物と違って、より新しい方がよく“当たる”。

できるだけ新しい天気予報を使うために知っておきたいのは発表時刻
気象台の天気予報は5時、11時、17時に発表される
16時に気象庁のウェブページを見てもそれは11時の予報で古い。
可能ならば、17時の新しい予報を待つべきだ。
気象庁以外の天気予報のウェブページの多くに、
この発表時刻や更新時刻が表示されていないのはとても残念なことだ。

ちなみに、私の会社((有)ウェザープランニング)
http://www.wxp.co.jp/
のウェブページに公開している秋田県の天気予報は、8時と16時に発表している。
無料公開のためあっさりとした天気予報と概況解説になっているが、
有料で、より詳細な、随時発表での天気予報の提供(東北6県、新潟県)も可能だ。

閑話休題

新しい天気予報という観点では、新聞の天気予報の利用はあまり推奨しない。
入稿締切前に発表された古い天気予報だからである。
朝刊の場合、おそらく前日中に発表された予報だろう。
新鮮さの観点では、インターネットやスマホ等で新鮮な予報を入手する方がよい。

新鮮な天気予報の方がよいとは言っても、
最近の予報精度は上がってきており
前日の夜発表と、当日朝発表の予報が大きく変わることは年に何回もない
登山や大型野外イベント等、
人命にかかわったり、影響の大きいものへの利用でなければ、
新聞掲載の天気予報でも十分な精度があるといっていいだろう。

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2017年7月26日 (水)

降水短時間予報

降水ナウキャストに似たものに「降水短時間予報」がある。
解析雨量の予報版といっていい。
これは、6時間先までの1時間毎の降水量を1km四方毎に予報するもので、
30分間隔で発表される。
単位は解析雨量と同じくmm。

降水短時間予報は降水ナウキャストと違い、新たに発生する降水も予想される。
「降水ナウキャスト」は直後の状況、
「降水短時間予報」は数時間先までの状況を見るように使い分けたい。

降水短時間予報は6時間先までの予報だが、
予想手法の特性上4時間先以降は予報の傾向が大きく変わることが多いので、
可能ならば3時間先までの利用にとどめたい。

降水短時間予報に限らず、
残念ながら寸分の狂いもなく“完全に当たる天気予報”は存在しえない
しかし、より近い将来の予報の方が当たりやすい(精度が高い)ので、
天気予報は“なまもの”と同じで、できるだけ新しいのものを使うようにしたい。

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2017年7月21日 (金)

解析雨量

5分毎のレーダー観測の降雨強度を
降水量に換算して1時間分積算したものが「レーダー雨量」。
誤差の大きい「レーダー雨量」を「アメダス雨量」で補正したものが
レーダー・アメダス解析雨量」、略して「解析雨量」だ。
いずれも、1時間の降水量である。

気象情報、防災情報等で、
「○○mmの雨量が“解析”されました」と表現されるのが、
この「解析雨量」である。
「“観測”されました」の場合は、
アメダス等、地上に設置された雨量計で実測された「雨量(降水量)」である。

「解析雨量」は重要なデータで、
「降水ナウキャスト」や「降水短時間予報」の初期値となるほか、
「記録的短時間大雨情報」発表の判断要素のひとつとなる。

解析雨量は上述のとおり1時間の“降水量”なので、
単位は「mm」である。
気象庁ウェブ
http://www.jma.go.jp/jp/radame/
では「mm/h」と、降水強度の単位で表示されているが、
これは厳密に言えば誤りであろう。
ただし、3時間降水量を「mm/3h」などと表す“便法”もあり、
誤りではなく、便法であると善意に解釈しておきたい。

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高解像度ナウキャスト(その2)

高解像度ナウキャストは、

「250mメッシュの予報で、
5分間隔で、
30分先までの5分間毎の平均降雨強度の変化が予報される。」

と書いたが、
実は30~60分先までの予報も、
1kmメッシュではあるが発表される。

また、30分先までの予報も、
沖合の海上は1kmメッシュである。

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2017年7月18日 (火)

高解像度ナウキャスト(その1)

降水ナウキャスト似たものに、高解像度降水ナウキャストがある。

従来の降水ナウキャストより解像度が高い250mメッシュの予報で、
5分間隔で、
30分先までの5分間毎の平均降雨強度の変化が予報される。

気象庁のウェブページ
http://www.jma.go.jp/jp/highresorad/
で見ることができる。

従来の降水ナウキャストより多種の観測データをもとに3次元的解析と予想を行っており、
解像度に加え、予報精度も高まっている

動作環境が許せばこちらの方がおすすめ。

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降水ナウキャスト

降水強度の実況観測をするのが気象レーダー。
降水強度の予報版が降水ナウキャスト

1km四方毎の予報で、
迅速な情報として5分間隔で発表され、
1時間先までの5分間毎の平均降雨強度の変化が予報される。
気象庁のウェブページ
http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
で見ることができる。

新たに発生する降水域を予想できないのが弱点だが、
地形の影響等も加味し、発達・衰弱の予想はされている

アウトドアでのにわか雨回避や、
防災活動において強い雨の直後の予想を知るに有効だ。

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気象レーダー(その5)

もうひとつ信じてはいけないレーダー画像を。
秋田市周辺に強い雨と思われる円形の降水域が映っているが、
実際には強い雨は降っていない。
これは何なのか。

Photo

円形の降水域はブライトバンドという。
中心にレーダサイトがある。
雪が解けて雨に変わる融解層で電波の反射が強くなるために
一見強い雨に見えるが実は強くない。

理屈は省略するが、
レーダーサイトの周りにしか現れないので、
見分けるには
レーダーサイトの位置を知っていることと、
見え方の特徴に慣れておくことが必要。
(レーダーサイトの位置は、気象庁のウェブサイト
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/radar/kaisetsu.html
で確認できる。)

                          ちょっとだけ難しい話をすると、
原則、層状性の雲でしかブライトバンドはできない
対流性の雲である積雲や積乱雲では、
対流が融解層を壊してしまうから。

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気象レーダー(その4)

気象レーダーに映らない雨があると書いたが、逆もあり、
気象レーダーに雨以外のものが映ることがある。

上空では雨粒となって落下しているが、
地面にたどり着く前に蒸発してしまう雨は、
気象レーダーに映るが地上では降っていない
これを「上空エコー」といい、低気圧が接近してくるときに多い。

他に、自動消去しきれない山岳や波しぶきからの反射波など
降水以外にもレーダーに映ってしまうもの(非降水エコー)がある。

要するに、レーダ画面を無条件にそのまま信じちゃ駄目ってこと。
正しく上手に使うためには、
気象状態の把握や、
アメダスや自分の目などによる補正が必要
更に、毎日見て慣れることと、多少の勉強も必要。

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2017年7月17日 (月)

気象レーダー(その3)

気象レーダーは降っている雨や雪の強さを5分毎に観測している。
雨や雪の強さとは、その強さで雨が降り続いたら1時間で何ミリ降るかという量
画像の右下にあるとおり、単位はmm/h(ミリメートル毎時)。時速に似ている。
時速は、その速度のままで1時間走れば進む距離。

Photo

実際は、時速も降水強度も時々刻々変化する。
気象レーダーは、是非動画で、
強い雨が長く続くか短時間で行き過ぎるか見て欲しい

気象レーダーが見ているのは、降っている雨や雪の“強さ”。
雨粒ほど大きくない雲粒(水滴)は気象レーダーの電波では見えない
その意味で、「雨雲レーダー」という報道でよく使われている“俗称”は不適切と思う 。

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気象レーダー(その2)

インターネット等で見られる気象レーダー関係の画面は大きく分けて3種類。

「レーダー・ナウキャスト」
「解析雨量・降水短時間予報」
「高解像度降水ナウキャスト」。

チェックしたのに雨に降られたときに見ていたのは
「レーダー・ナウキャスト」の「レーダー」部分。
「レーダー」部分は実況。
「ナウキャスト」部分は予報。

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気象レーダー(その1)

気象レーダーで雨が降っていないことを確認して、
散歩がてらの買い物に出ようとしたら雨が降っている。
あらら。

実は、気象レーダーには、
非常に低いところだけで降っている雨や、
ある程度以下の弱い雨は映らないのだ。

自分の目で空を見るという基本を怠って、
気象予報士として恥ずかしい限り。

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ブログはじめました

ブログはじめました。

ツイッターを始めて1年数か月、短文では書ききれないことが多く、どうしても字数いっぱいになっちゃう。シリーズにして分けたり。
というわけで、ブログで書いてみることにしました。どうなりますやら。

とりあえず、しばらくはツイッターに書いてきたことを、再編集しながらこちらに投稿してみます。

その前に、ブログの機能や設定、わかってないぞ・・・。

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