2017年8月18日 (金)

積乱雲(その3)

次に、竜巻から身を守るための方法

もし、竜巻発生時に建物の中に居たら、
間に合うならシャッター、ドア、窓、カーテンを閉め、窓から離れる
窓からスマホで撮影など論外
できるだけ下の階の、
できれば窓のない部屋で壁から離れる

或いは風呂やトイレなど周囲に柱の多い狭いところへ移動する。
海外での実話で、
家全体が吹き飛ばされたのに、
バスタブに身を隠していて助かった事例がある。

もし、竜巻発生時に屋外に居たら、
頑丈な物の陰で身を小さくするか、
側溝など低いところに入り
腕などで頭を守りながら出来るだけ姿勢を低くする

竜巻の場合、車やプレハブに避難するのはよくなく、最後の手段だ。
竜巻の強さによっては、
車やプレハブごと飛ばされてしまう可能性があるからだ。
このような状況に陥らないよう、
可能な限り積乱雲の下や近くには行かないこと、
回避することに心がけたい。

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2017年8月17日 (木)

積乱雲(その2)

積乱雲は、強い雨、雹(ひょう)、の他、
竜巻ダウンバーストなどの突風を引き起こすことがある。

これらから身を守るためにはどうすべきか

まずは雷から身を守る方法
雷は所を選ばず落ちる。
特に高い物や尖った物には落ちやすいので、
近寄らないこと。
可能なら建物や車の中などに避難しよう。
できれば鉄筋コンクリートの大きい建物がよい。
建物内では、電気器具、天井・壁から1m以上離れる

逃げ込むべき建物がない場合は、
車など金属に囲まれたところは比較的安全だ。
車内では、できるだけ中央に寄り、
天井やドア等から離れること。

建物も車もないときは、
大木など自分より十分高いものにある程度近づき、
大木の頂点から斜め45度以内の範囲に入り
身をかがめよう。
ただし、木に近寄りすぎると、木に落雷したとき危険なので、
45度の範囲内で木から最低2m、できれば6m以上離れたい。
Photo

自分より十分高い物もない場合は、
窪地など少しでも低い場所で、
出来るだけ姿勢を低くする。
金属アクセサリーなどを外す必要はないが、
可能なら地面と絶縁
する。
絶縁は、近くに落ちた雷の影響を避けるためであり、
大木の下でも同様。

雷発生時、自宅などに居たら、
ものにもよるが電化製品のコンセントは抜いておいたほうが良い
落雷しなくても、
誘導雷により異常電流(雷サージ)が流れ
故障や火災が発生する可能性がある。
なお、サージから電化製品を保護する装置もいろいろある。

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2017年8月16日 (水)

積乱雲(その1)

気象庁の雲の観測の分類である10種雲形の中で、
対流性の雲は積雲積乱雲の2つである。

積乱雲は積雲が更に発達した雲で、
縦(上)にグングン成長する。
夏の入道雲は発達初期の状態、
最盛期には対流圏界面に達し
かなとこ雲が横に広がってくる。

発達は非常に早く
孤立した典型的な積乱雲の一生は1時間程度だ。
孤立ではなく、組織化された積乱雲は自己増殖し、
結果、何時間も積乱雲が存在することになる。
実はこのパターンの方が多い。
つまり、積乱雲をひとつ見つければ、
近くに次々と子供の積乱雲が発生する可能性がある

雪の降る寒い時期は別にして、
積乱雲の下の方の輪郭が比較的はっきり見えるところは水滴で、
上の方の比較的ぼやけて見えるところは氷晶でできている。

雲の上部で降り出した雪が下の暖かいところで溶けて雨になるとき、
周りから熱を奪うため空気が冷えて重くなる
雲低下では、雨が蒸発するときに周りから熱を奪うため、
更に空気が冷えて重くなる
この冷気が雲の下に下降流として吹き出し、
地面にぶつかって周りに広がる流れとなる。
これを冷気外出流コールドアウトフロー)と呼ぶ。
この下降流が非常に強まったものがダウンバーストだ。

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2017年8月12日 (土)

風のはなし(その4)

風の話(その3)までは大きな目での話。
局地風になると、
地形の影響などのため多少事情が変わってくる

各地域の特徴的な風の多くには名前がついている。
清川だし肱川あらし六甲おろし広戸風などである。

だし」は船を出すのに適する風、
おろし」は山を吹き降ろす風の意味。

ちなみに清川だしは、
最上川が出羽山地を切り裂いた谷あいを吹き抜ける強風。
山地にぶつかった空気(風)は、
山越えするよりも回り込む方が楽なので、
低い隙間があればそこを通ろうとする。
元の風が弱くても、
狭いところを同じ量の空気が通ろうとするため、
風速が速くなる。

地形にあまり関係のない局地風に突風がある。
竜巻ダウンバーストなどだ。
これらは積乱雲の下に発生する。
運動場などで、砂や塵を巻き上げ、
テントを飛ばしたりする渦巻はじん旋風で、
竜巻とは別物

竜巻は、
積乱雲内の強い上昇流とそれを取り巻く渦が局所的に強まり、
何らかの理由で積乱雲の雲底から垂れ下がり漏斗雲)、
それが地上に達したものである。
この回転性の渦は大変な破壊力を持つ。
じん旋風なども渦だが、どんなに強くても、
積乱雲と無関係なら竜巻とはいわない

ダウンバーストは、
積乱雲内の下降流が何らかの理由で非常に強まり、
地面にたたきつけられ、外側に広がっていく突風

竜巻ダウンバーストひょう)、
いずれも積乱雲起源の激しい現象。
これらは、強風注意報ではなく
雷注意報竜巻注意情報などで注意喚起される。

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2017年8月11日 (金)

風のはなし(その3)

あるテレビ番組で、
風力発電の適地の地図が紹介されたことがあった。
秋田県では秋田能代にマークがあった。

アメダスでは確かに風が強く出やすい地点なのだが、
これには事情がある。
アメダスの風速計の地上高は大半が6.5mだが、
秋田は39.9m能代は19.0mである。
高い分、地面との摩擦が当然に小さい。
立地条件が違うため、
そもそも強い風が観測されやすい地点なのだ。
もし、同じ地上高で観測すれば
おそらく、他の地点とさほど変わらない風速が観測されるだろう

アメダスで風の分析をする場合は、
立地条件の確認も行わないと、
とんでもない結論になる恐れがある

地形の影響で、癖のある風が吹く場所もある。

水が高いところから低いところに流れるように、
空気も気圧の高いところから低いところへ流れようとする。
気圧差が風の動力だ。
ただ、地球の自転の影響コリオリ力が働き、
地面との摩擦の無い上空では、
北半球では流れたい方向(気圧傾度力)に対して直角右向きに、
言い換えれば、
等圧線(等高度線)と平行に、気圧の高い方を右手に見て風が吹く
摩擦のある地表面付近では、直角まで曲がりきれない。

風の動力源は気圧差(気圧の傾き、気圧傾度)なので、
天気図で等圧線の間隔が狭いほど風が強い
冬型の気圧配置のときや台風の中心付近には、
間隔の狭い等圧線が見られる。

地形等を無視した大雑把な風向は、
等圧線に直角に高圧側から低圧側に向かう方向に対し、
60度ほど右に曲がった方向
となる。

NHKラジオの気象通報では風力が通報されるが、
予報現場では風力は殆ど使われない。
このブログを興味持って読んでくださる方なら
気象通報で天気図を描いたことのある人も多いだろう。
よい天気図を描くには、
気圧値より、風向と等圧線との整合をとることが大事
だ。
気象の基本は風である。

風とは空気の流れである。
空気が集まってくる(収束する)ところでは上昇気流が発生し、
雲が発生、発達しやすい
低気圧や高気圧も大きな空気の渦で、
風だけで中心位置を知ることができる。
前線も風向が不連続に分布するところである。
風こそが、天気予報上、最も有用な気象要素なのだ。

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2017年8月10日 (木)

風のはなし(その2)

風速とは、単位時間に大気が移動した距離で、
単位は「m/s(メートル毎秒)」。
「毎秒○m」でもよい。
誤解される恐れのないときは「m」でもよい。
(「風速5m」など。)

観測はm/s単位なのに、
気象機関間のデータ交換(通報)はなぜかノット単位。

ちなみに、1ノット=1海里/時
1海里は緯度1分(1度の1/60)に相当する距離(1852m)。
つまり緯度1度=60海里
なるほど、地球上を大きく移動するときには便利そうだ。
それで航海・航空業界は国際単位系(メートル法)に移行しないのか?。
それとも、移行によって勘違いなどによる危険が生じるのを避けているのか?。
誰か教えて。

単に風速といえば平均風速のことを表し、
観測時刻前10分間の平均の風速である。
瞬間風速は、本当の瞬間ではなく、
過去3秒間の平均の風速をいう。

ところで、空気の流れは、
大きく層流乱流に分けられる。
煙草の煙は初めスーッと直線的に上がり、
その後形が乱れる。
前者が層流で、後者が乱流だ。

風も同様で、
地上付近では殆どの場合乱流である。
この乱れによる瞬間風速の変動を風の息ガスト)という。
大気の状態が不安定な時などは風の息が強く
即ち、瞬間風速の変動が結構激しくなる。

平均風速と、瞬間風速(最大)との比突風率という。
通常1.5~2.0程度だが、3を超えることもある。
統計的な平均は1.6である。

ある期間での
(平均)風速の最大が最大風速
瞬間風速の最大が最大瞬間風速
後者の“最大”を略しても意味は通じるが、
“瞬間”を略すと意味が変わってしまう
“原付自転車”の“原付”を略すと“自転車”になってしまい、
意味が変わってしまうのと同じでやってはいけない。
報道でも散見されるのは残念。


ここからは、気象予報士試験受験者のためのアドバイス

(風の話ではなくなるが、海里とノットに関連して)

天気図上の緯度10度の幅(約1100km=600海里)を基準
デバイダや定規で測った天気図上の距離から、
比例計算で実距離を求めたり、
速度を求めたりする基本的技術がある。
最近は、距離をkmでなく海里で、
速度を時速でなくノットで答えさせる問題も増えてきた。
(平成27年度 第2回 実技1 問3(3)など)
このような問題では、
距離の読み取りをkm単位でなく、
はじめから海里単位で行い
1ノット=1海里/時
の関係を使って、
kmへの換算をすることなく
直接ノット単位の速度を計算した方が
圧倒的に簡単で速い。

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2017年8月 9日 (水)

風のはなし(その1)

風向は、風が吹いてくる方向
例えば、「北の風」や「北風」は北から南に吹く風。
逆にしてしまう人が結構いる。

8方位の風向は、東、南、西、北4方位に加え、
北東、南東、南西、北西
南か北が先にくる
東や西が先にくる東北や西北といった風向表現はない。

16方位の風向は、8方位に加え、
北北東、東北東、東南東、南南東、南南西、西南西、西北西、北北西
後ろの2文字が8方位にもある方位で、
その方位から4方位のどちらに近いかが1文字目。
例えば、南東より南寄りなら「南 南東」となる。

風向で「よりの風」という表現がある。
例えば「西よりの風」といえば、
西を中心に両側45°ずつ
つまり南西~北西の範囲でばらついている風を表す。
○には、4方位の東、西、南、北のいずれかが入り
「南東より」といった表現はしない
天気予報の風向表現にも使わない。

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2017年8月 7日 (月)

風の強さと吹き方

雨の強さ同様、風の強さに関する用語にも決まりがあり、以下のとおりである。

平均風速(m/s) 風の強さ(予報用語)
  人への影響

10m/s以上15m/s未満 やや強い風
  風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。

15m/s以上20m/s未満 強い風
  風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。
  高所での作業はきわめて危険。

20m/s以上30m/s未満 非常に強い風
  何かにつかまっていないと立っていられない。
  飛来物によって負傷するおそれがある。

30m/s以上 猛烈な風
  屋外での行動は極めて危険。

(注) 平均風速は10分間の平均瞬間風速は3秒間の平均です。
風の吹き方は絶えず強弱の変動があり、
瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多いですが、
大気の状態が不安定な場合等は3倍以上になることがあります

詳細は、気象庁のウェブページ
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kazehyo.html
を参考にしてください。

ところで、気象報道(特にラジオ)の中で、
気になっていることがある。
風速と、それに対する風の様子を説明する際に、
瞬間風速を上記の決まりに当てはめている誤りが散見されるのだ。
上記の決まりにおける風速は“平均風速”であって、“瞬間風速”ではない
瞬間風速に関しては、気象庁のウェブページを見ていただけば、
表の右端に書かれているので、
それに対応して説明しなくてはならない。


ここからは全くの余談だが、
以前ラジオの気象情報コーナーに出演していた頃、
風速7,8m/sのときに、MCから
「今日は風が強いですね」
と振られて、困ったことが何度かある。

上記のとおり、
「風が強い」は風速15m以上のときの用語だ。
気象予報士としては「そうですね」と肯定しかねる。
しかし、リスナーの方々の多くも、
そう思っている(風が強いと感じている)はずだし、
MCの顔を潰すこともできないから否定もできない。
仕方なく「確かにちょっと風が出てきていますね」
などと誤魔化すしかなかった。

気象用語と、一般的な日本語表現の間には
この他にもやや乖離しているものがあり、
折り合いをつけるのが難しいことがままある。

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雨の強さと降り方

豪雨や台風の関係で、気象報道の中でも降水量に関する表現が多くなっているが、
降水量を表す用語にも決まりがあり、以下のとおりである。

1時間雨量 (mm)    予報用語    <人の受けるイメージ>
10以上~20未満    やや強い雨   <ザーザーと降る>
20以上~30未満    強い雨      <どしゃ降り>
30以上~50未満    激しい雨     <バケツをひっくり返したように降る>
50以上~80未満    非常に激しい雨 <滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)>
80以上~         猛烈な雨     <息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる>

例えば、気象情報の中で「激しい雨」と表現されれば、それだけで
「1時間当たりの降水量が30~50mm」の雨が降った(または降る予想)であるか、
「降水強度が30~50mm(その強さで1時間降り続ければ、30~50mmの降水量となる強さ)」の雨が降っている
という意味になる。

詳細は、気象庁のウェブページ
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/amehyo.html
を参考にしてください。

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2017年8月 4日 (金)

台風(その3)

台風の発生条件は、
海面水温が高いことの他、
熱帯収束帯であること、
気温分布が一様なこと、
緯度が5度以上であることなどである。
こうした条件の下、
偏東風波動の影響などを受けて熱帯低気圧が発生する。
偏東風波動のメカニズムはなかなか難しいらしい。

気象庁では、
台風(熱帯低気圧)の中心付近の暖気核が上層まで消滅したとき
または、中心付近から前線が解析されたとき
その温度構造の変化をもって
台風(熱帯低気圧)が温帯低気圧に変わったと見做している。
くどいようだが、
台風が温帯低気圧に変わることは、決して弱まったからではない

台風進路予報は、
ひまわり8号の新たな詳細な観測データの活用により精度が向上したとのこと。
(6/15報道発表)
数値予報(台風モデル)に埋め込む台風の初期状態のデータの良し悪しが、
その精度を大きく左右
する。
埋め込む台風の初期状態は観測値ではない。
海で発生発達する台風の中心付近で、常時観測することはできないからだ。
これを補うのが気象衛星からの観測で、
雲の形状やその変化から、
統計的に中心気圧や最大風速を推定
する。
少し専門的になるが、
この推定された台風構造を台風ボーガスと呼び、
台風ボーガスを台風モデルの初期値に埋め込むことをドボラック法と呼ぶ。

台風の話の最後は台風の名前。
台風の名称には、
原則として予め用意された140個の名前が順番に繰り返して使用される。
東アジア等の14か国・地域が10個ずつ持ちよった名称で、
日本の提案分は10個とも星座の名前である。
なぜかマイナーな星座名が多い。

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